未曾有の大災害であった「東日本大震災」より早くも3年半を過ぎました。マスコミの報道も原発関係を除いては、ずいぶん少なくなりました。しかしながら、復興の道程はまだまだ遠く険しいものです。そういう中で、大震災より後、私たち西本願寺教団では、さまざまな救援活動を続けてきました。その一環として、原発事故・津波等で心身ともに大きなストレスを受けている子共たちを対象(希望者を福島、宮城地域等で募集)に、春・夏の休み時期、鹿児島にホームステーをし、リフレッシュしてもらおうという活動を、「心のふるさと交流事業」として行っています。鹿児島教区・北隅組がその先駆けとなった事業です。性原寺でも大震災に対し過去2回、皆さまの募金を義援金として京都本山に届けました。その後、約1年半の間に、また募金が集まりましたので、今回は「心のふるさと交流事業」に役立ててもらうことに致しました。ご了承ください。
*鹿児島教区 → 西本願寺派寺院の鹿児島県全体の統括組織
*北隅組 → 鹿児島教区の地域単位。姶良市・霧島市・湧水町の21ヶ寺で構成
募金金額 ¥47,880でした
震災直後より、学生とともに救援活動、そしてご自身の研究(親鸞聖人の愛別離苦への姿勢)の、フィールドワークを現地で行ってこられた龍谷大学教授の文章です。
「・・・どれほど誰かを愛していても、いつか別れがある。しかし、死別した後で、その人がこの世に存在していた姿がのこされた人たちの心によみがえる。自分自身の心に溢れる愛情がある。お墓やお仏壇にお供えする花が、手を合わせる自分自身を慰めるよう感じることがある。大空に流れる雲が、自分自身の苦しみを解き放ってくれることがある。夜空に浮かぶ月が、闇に閉ざされた自分自身を見守ってくれることがある。めぐる季節の中であう、花の香り、雨の匂い、大地を焦がす太陽、土砂降りの雨、風に舞う落ち葉、雪に染まった白銀の世界に、あの時の思い出が重なる。
人は亡くなると、その姿は見えなくなり、何もなくなってしまう。それは確かにそうかもしれない。しかし、その人から受けた愛情、その人に捧げた愛情を忘れないでいることができるのは、今ここに生きている自分自身だけだろう。あなたの流した涙を、幸せの種に撒くことができれば、いつかきっと新しい幸せの花を咲かせることができるだろう。・・・」
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